心中。

「この秋、僕と一緒に死んでくれませんか」とH氏はにこやかに言った。

もちろん、仕事の話である。内容も物量もスケジュールもとにかく大変そうで、なおかつ、ちゃんとしなくてはならない案件。ずぼらでいてもいい案件なんてないと思うけど、テーマがテーマだけに、繊細に取り扱わなくてはならない、意義深いプロジェクトなのだ。よりよいものを生み出すために、然るべき人を巻きこむためには「わたしと心中してください」としか、言いようがないのだ。

以前からの知り合いだったH氏が今回初めて、わたしに声をかけてくださったこともうれしかった。「僕と一緒に死…」という類のフレーズに弱いため、迷わず「はい」と答えたけれど、あの瞬間、わたしは冷静だったのかなぁ。

当然、だれでもいいわけではない。ふだんから一目置いている人物が、だれよりも身を粉にする覚悟をあらわに向かってきたら…チャレンジを受け入れるしか道はないと思う。これまで何度もそうしてきたように、わたしは限界のその先が見たいのだ。できれば、あなたと笑顔で。

この秋はいつになく、いろんなことが集中している。「もう無理」「今回は無理」と言いながら限界を塗り替えて、今日に至る。今秋もだいじょうぶだろうと、勝手に推測。盛り上がったらいいなと思う。