自分探し。

「自分探し」という言葉を、日常的に耳にするようになってから。「本当の自分」を探し求める姿に、違和感を抱いている。

もちろん、みんな真剣なのは承知している。そのうえで、「じゃあ、あなたはだぁれ?」とわたしは思う。10年くらい前までは自分のことが嫌いでしょうがなかったけれど、それすら自分なのだとあきらめていたし、探し回るひまもなかった。自分の足で立ち、歩き、生きていくのが精一杯で、今ここにいる自分の存在を疑っていなかったのかも。おのれを抹消してしまいたいと望んでいたのも、いやというほど自分が自分であるからだった。

自分とは何なのか。小学生用国語辞典をひいてみると「その人自身。わたし」と書いてあった。本当の項には「うそや見せかけではない、真実。ほんと」とあって、確かにそうとしか言いようがない。今この瞬間のわたしを披露するなら…秋晴れの三連休なのに風邪をひいて熱を出し、鼻をかみかみ、クシャミを連発、パソコンに向かっている…事務所兼自宅にひきこもる、かっこわるい姿が真実だ。それ以上でも以下でもない。

探したいなら、気が済むまでするといい。思いこみから生まれた単なる理想形であることに、自分で気づいた方がいい。本当の自分があるとすれば、目標や夢をコツコツ叶えていった先にある。わたしは、そんな風に思っている。