区切り。

大学の、後期の授業が始まった。公にはまだ言っていなかったけど、あの大学で非常勤講師を務めるのは、このタームが最後である。

教える、という言葉はいまだにわたしになじまない。知っていることや経験したことのすべてを、望まれればおしみなく伝える、伝えたいと願う時間であった。

講義ではなく演習形式の授業なので、一方的に語る時間はほとんどないし、わたしはそれを好まない。その時々の状況に応じて、ものごとの見方や考え方は無数にあって、正解はひとつではないよ、自分の頭で考えて、ものごとの本質をつかみ、言葉にして、カタチにして実行すること、さらにはその先にあるものを見つめることが大切なのよ、と語るスタイルは日常的にしていることと変わらない。

あぁ、そうか。わたしにはそういう風にしかできないのだろう。相手が学生だからといって手加減することもできないし(最低限の配慮はするけど)、丸ごと自分をさらけ出すことでしか、彼らの前途を照らすことはできないと思っている。照らす、なんておこがましいことだけど。

いったん、区切りをつけることになったのは、わたしの中の問題で、まだここでは語れない。ゆくゆくは、またご縁があるかもしれない。この身が役に立つのなら、その時はよろこんで駆けつけたい。