薬缶。

漢方の煎じ薬を飲むことになった。ずいぶん大きなバックに入っていて、うちの小鍋にはおさまらない。「鉄はだめ、土瓶かアルマイトのやかんにしてください」とドクターに言われたので、昔ながらのアルマイトを探すことにした。見た目も質感も土瓶の方が好みだけれど、おそらく重い。やかんは薬缶といい、もともとは薬(漢方薬)を煮出すのに使われていたため薬鑵(やっかん)と呼ばれていたと知り、それはもう正しい方法で煎じなくてはとも考えて。給食やキャンプの時などに麦茶を冷やすのに使われていたアレである。部活動で乱暴に愛用されていた、ぼっこぼこのフォルムもなつかしい。

日常的な道具として、どこにでもあると思っていたけど。百貨店などをめぐって、見つけたのは小ぶりのサイズのみ。手に持って、大きさや質感、バランスを確かめてみたかったから、知人のアドバイスと記憶を頼りに三宮センタープラザ西館にある業務用の調理器具店に飛びこんだ。イスにのぼらなければ取れない場所にいくつも並んでいて、うれしかったなぁ。

その後、待ち合わせをしていた友人から「ころんでやかんも転げ落ちたらだいぶおもしろいのでお気をつけてー」という、心配しているのか期待しているのかわからないメッセージが届いた。

昨夜からさっそくコトコト、コトコト。長いつきあいになりそうである。