甘える。

お見舞いは、家族限定にさせてもらった。お気持ちは本当にありがたく、ワイワイ話せた方が気もまぎれることはわかっていた。けれどわたしは、生来のかっこつけで見栄っ張り。弱っている姿を見せるのも、ふだんは着ないパジャマ姿(前開きの寝巻きという指定)なのもはずかしかった。

人生には、想定外のことがよく起こる。読めずにいた本を読んだり、これからを考える時間にしようと思っていたら、家族と向き合う時間が中心となった。毎日、母がいそいそと通ってくれて、合間に父と弟もやって来た。夏場の父の手術に続き…家族のピンチは、団らんのチャンスとなった。

これまで、あまりにハードスケジュールだったから、自分のことを後まわしにするだけでは足りなくて、家族との時間を犠牲にしてきた。もともと、どう甘えればいいのかもわからないタチ。手のかかる父と弟(という言い方をすると憤慨されそうではあるが)で手いっぱいの母に、遠慮していた節もある。23歳で家を出て以来、(暮らすという意味では)もどっていないから、寂しい思いをさせていたかも。

何かしてほしいことは?ほしいものは?と聞かれるたびに、おいしいあんこが食べたい、なんてことしか言えないけれど。「張り合いがあるわよ」「甘えていいんだからね」と言ってくれて、ありがとう。