ただいま。

1週間ぶりにうちに帰って、街路樹の紅葉に目を見はった。マンションのすぐそばの公園が黄金色。けれどせつないことに、落葉を憂う人たちの意向だろう、枝が無残に切り落とされていた。

荷物を置いて、「ただいま」と声を出した。するべきことはたくさんあったけど、まずはコーヒーをいれて、サンドイッチを軽くつまんだ。それまではなんとなくよそよそしかった部屋が、ひとつのいとなみを境に、主を受け入れてくれたような気がした。

今後のために、血圧計と軽い土鍋を購入した。さらに…長時間立っていることがむずかしいので、体を支えるものがほしい。重たいバッグを持ち歩けないので、少ない負担で荷物を運ぶ手段を手に入れたい。特に左半身への接触や激突から身を守るために人との距離を保ちたい…などの理由から、外出用にサムソナイトのキャリーバッグを注文した。コロが静かでスムーズ、軽量であることを条件に。ドラマ「SPEC」の当麻のようなトレードマークになったら、おもしろい。杖も探してみたけれど、仙人や魔法使いを思わせる適切な代物に出会えなかった。

それにしても、うちはいい。静かは静かでも、静けさの質がちがう。ひさしぶりに、ぐっすり眠った。仕事場で寝起きしている、という風情のうちである。