縛り。

縛られると燃えてくる。もちろん、お縄の類は必要ない。伝える言葉、コピーを書く際のこと。ふだんは束縛を嫌がるタチなのに、制約を受けるとニコニコしてしまうのが、自分でもふしぎでしょうがない。変態である。

「ここに1行で、すっと」「○文字くらいで書いてほしい」「ゴシック体ではなく明朝体で入れたい」「ロマンチックに」「泣かせる感じで」など、指定されるのは文字数だけでなく、書体や文章の雰囲気をオーダーされることもある。

もちろん、組む相手しだいの話。無茶ぶり→打ち返す→さらに無茶ぶり→やっぱり打ち返す…というスピーディーなやりとりが続くと恍惚となる。具体的な内容にはイライラ、メラメラッとなるし、もっと言ってと迫りたくなる。本気の応酬を楽しむことができるかどうかが、仕事の仕上がりに関わるなぁ。

そういえば、十種類超の商品に添えるコピーをそれぞれ100文字くらいで、と言われたことがある。すべてを100文字ちょうどでそろえたところ、「さすがに、きもちわるい」と言われてしょんぼりしつつ、文字数をすべて変え、書き直した記憶がよみがえってきた。

なにごとも、度を超してはいけないという教訓。そろえたがりの性格は、他で発揮するべきだったと思うし、自分の変態ぶりを再認識できた、とも言える。

わたしはだれのものでもないし、自分は自分のものでさえないと思う。わたしを囲いたいなら、好きにさせてくれること。縛らずに縛る達人が存在したら、一瞬でなついて…しまうのかもしれない。