ソータンカンケッセキショウ。

2014ワールドカップ(ブラジル大会)で日本代表がコートジボワールに負け日、「お父さんが、しょんぼりしてるの。食欲もないんだって」と、これまたしょんぼりしている母からメールが届いた。

夏場は、父が最も食欲旺盛で元気なシーズンである(なぜか)。また、何をきっかけにそうなったのかはわからないものの、母はたいそうなサッカー好きで、Jリーグも国際試合もかかさずテレビで観戦し、黄色い声を張り上げる。時には、ヴィッセル神戸のホームグラウンドであるノエビアスタジアム神戸へ夫婦で出かけることもあるし、ひいきのチームがシュートをはずしたり、敵が得点すると「ばかー」「もうー」とメールを送ってきたり、会うと「遠藤ちゃんがね」などとお気に入りの選手の動向を語り始める。サッカーに限らず、バレーボールやバスケットボール、バドミントンなどいろんなスポーツ観戦が好きなので、要するに年中いそがしく、楽しそうなのである。

今年のワールドカップは、時差の関係で、睡眠時間をやりくりして観戦する必要があった。期間中、両親は生活のすべてを日本代表戦にシフトしていた。思い入れが強すぎた反動で、敗北がショックだったのだろう。そうに違いないとわたしは考え、しょんぼりメールが届いた日の夜は両親をお好み焼き屋へ連れ出した。ふたりとも、ペロリとたいらげた。

その後、しょんぼり度はやわらいだように見えた。けれど、わたしが知らされていなかっただけだった。父は数日間の検査入院の末に、ソータンカンケッセキショウと診断されていたのだ。

そうこうしているうちに、ドイツが24年ぶり4度目の優勝を果たし、ワールドカップは閉幕した。