万年筆。

プロポーズには指輪じゃなくて、美しい万年筆がいい。

なんてことを唐突に思った。ある人から結婚を申しこまれる、という設定の夢を見てしまったせいかもしれない。それが願望なのか、予知夢なのかは神のみぞ知る領域だけど、もしまた、そんな日が来るとしたら、リングより万年筆がほしいな。しっとりと手になじむ、ややふっくらしたフォルムの、重たくないもの。

眠るたび、毎日夢を見る。こうなったらいいなと願っていることがいろいろある中、将来への個人的な願望が乏しいタチなので、この「万年筆がいい」という気持ちは意外で、興味深い衝動だった。

人だけでなく、モノとの相性も大切だなぁと思う。モンブランでなくても別にいいし、「君にはモンブランしか考えられないよ」というのなら、もちろんありがたく頂戴するだろう。

夢の話ではあるけれど、プロポーズはうれしかった。設定の上では、今すぐ一緒になれる2人ではなかったものの…一緒にがんばろうね、と誓った気がする。われながら純愛…もとい、単純なのかも。

残念なのは、だれからプロポーズされたのかがあいまいで、すりかわっている可能性があること。そのうえ、その希少なシチュエーションを早くも忘却しそうになっているのだからおもしろい。それはそれで、そういう人生だったりして。

プロポーズは、万年筆がいい。

べっ甲や漆、蒔絵のような高級品である必要はなくて、丹精込めてつくられたものを一生懸命選んでくれた人と、添い遂げられたら本望だ。