くるしい時ほど声を出す。

ピンチになると、燃えてくる。

いつも何かとギリギリで、今度こそほんとにやばい…と幾度思ったことだろう。その都度、なんとかなってきたのは奇跡であり、周囲の理解や度量の広さのおかげなのだと日々感謝している。

締め切り間際になると、のってくる。計画的に、前々から取り組んでいれば今ごろ楽だろうに…と思うこともあるけれど、時間に余裕があると他のことが気になって、集中力を研ぎ澄ませることができなくなるため、結局、瀬戸際まで進むことになる。そうか、崖っぷち人生なのは、自分でそうしているからなのね。

高校時代、バレーボール部だった。顧問がキャプテンと副キャプテンを指名する、という決まりがあって、わたしは副キャプテンに選ばれた。以来ずっと、どうしてわたしだったんだろうと思っていた。去年、ひとつ上の先輩と話す機会があり、何気なくたずねてみたところ「二階堂は、くるしい時でも声が出るから」と評価されていたことがわかった。

顧問は体育教官で、兵庫県のバレーボール界のえらいさんだった。当時は折りたたみイスやビンタが飛んでくる時代で、「お前らは小さいんやから頭を使え」「勝たないと、おもしろくないんだよ」「下手は練習せんでいい」など、指導内容も言葉も厳しかった。バレーボールを嫌いになりかけたこともあり、正直言って好きではなかった。けれど、生徒ひとりひとりを見てくださっていたと知り、おのれの浅はかさをのろい、謝りたくなった。葬儀に参列しなかったことも…。

どんなにくるしくても、声を出す。これからも、そういう存在でありたいと願う。