使命感。

その使命感はどこからくるの、と聞かれた。特に仕事のうえで、場合によっては剣(つるぎ)を抜く…その衝動の根源にあるのは何なのか、なぜそうするのか、という問いである。

自分ではないだれかがつらい目にあう様を見たくないから、あっちじゃないかなと後輩に進むべき道を示す世代になったから、しんどい役回りは自分だけで十分だから…などと並べてみたものの、まだ、芯の部分が言葉になっていないことに気がついた。

本来、わたしは静寂と平和を好む。まちのかたすみにある小さな家の小さな書斎で、ていねいに言葉をつむいだり、だいすきな人たちと食卓を囲んだり、四季折々の植物を愛でたり、心おだやかに暮らせたらどんなにしあわせだろうと思うし、今生で必ずかなえたい夢として大切にあたためている。

一般的に「いい大人」とされる人たちが述べないことを口にするのが、わたしの役割だ…と思いこんでいる節がある。目の前の現状や未来をよりよくするためなら、沈黙よりも行動を。目的を達成するために、その瞬間における最良の手段を選べる人物でありたいのだ。

もちろん、だれかに頼まれたわけでもなく、進んで無理をする必要はない。何十億人もの人類の中で、わたしでなくてもいいだろうし、よかれと思っての言動すべてが自己満足かもしれないことも、頭では理解している…つもりでいる。

その問いを提示した彼自身、死に神の鎌をふるう人である。放ったエネルギーはそのまま自分にはね返るため、確実にズダボロになることを知っている。